行政の調査と就労移行支援事業所で長く働きながら感じた、障害者雇用の実態についてまとめています。
障害者雇用で働きやすくなっている実態が実はあるんです!
障害者雇用の実態は今どうなってるの?
障害をもった人が就労する仕組みとして障害者雇用があります。
実は、障害をもちながら社会で活躍する人がどんどん増え働きやすい社会になりつつあるのです。
私自身の仕事をしてきたなかで、肌で感じていますし調査の結果でもよくわかります。
令和3年1月に最新状況が公開されましたのでそちらをさんこ平成29年と平成30年の厚生労働省の調査をもとに説明をしていきます。
障害者雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新
あまり知られていないですが、障害者雇用で働く人は17年連続増加中!
障害者雇用の集計をとりだしてからは常に過去最高を更新している形になります。
<民間企業>(法定雇用率 2.2%)
○雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新。
・雇用障害者数は 57 万 8,292.0 人、対前年 3.2%(1万 7,683.5 人)増加
・実雇用率 2.15%、対前年比 0.04 ポイント上昇
○法定雇用率達成企業の割合は 48.6%(前年比 0.6 ポイント上昇)
<公的機関>(同 2.5%、都道府県などの教育委員会は 2.4%)※( )は前年の値
○雇用障害者数はいずれも対前年で上回る。
・ 国 :雇用障害者数 9,336.0 人(7,577.0 人)、実雇用率 2.83%
(2.31%)
・都 道 府 県:雇用障害者数 9,699.5 人(9,033.0 人)、実雇用率 2.73%
(2.61%)
・市 町 村:雇用障害者数 3万 1,424.0 人(2 万 8,978.0 人)、実雇用率 2.41%
(2.41%)
・教育委員会:雇用障害者数 1 万 4,956.0 人(1 万 3,477.5 人)、実雇用率 2.05%
(1.89%)
<独立行政法人など>(同 2.5%)※( )は前年の値
○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で上回る。
・雇用障害者数 1 万 1,759.5 人(1 万 1,612.0 人)、実雇用率 2.64%(2.63%)
障害者雇用として働いている人が増えていることが良くわかりますね!
文字だと分かりにくいので集計結果のグラフを引用しておきます!

グラフで見て分かる通り、1番働かれているのは身体障害の方。2番目に多く働かれているのは知的障害の方。3番目が精神障害を持った方です。
気になる点を引用してご紹介していきます。
雇用者のうち、身体障害者は356,069.0人(対前年比0.5%増)、知的障害者は
134,207.0人(同4.5%増)、精神障害者は88,016.0人(同12.7%増)と、いずれ
も前年より増加し、特に精神障害者の伸び率が大きかった。
身体障害の方はほぼ変化がないですね!精神障害の方の雇用率がすごい伸びているのにびっくり!まだまだ働けるのに雇用につながらなかった人がいたということですね!
逆に言うと障害の診断をされる人が増えた?とかもあるかもですが、配慮をもらって働いている人たちが増えるということは安心して働ける人が増えたと思うのでよかったです。
実雇用率は、45.5~100人未満で1.74%(前年は1.71%)、100~300人未満で
1.99%(同1.97%)、300~500人未満で2.02%(同1.98%)、500~1,000人未満で
2.15%(同2.11%)、1,000人以上で2.36%(同2.31%)となった。
なお、民間企業全体の実雇用率2.15%(同2.11%)と比較すると、500~1,000
人未満及び1,000人以上規模企業が実雇用率を上回っている。
障害者雇用は従業員が500人以上いるようなある程度制度や分担ができている企業の方が障害者雇用をすすめやすいようです。
確かに中小企業はみんながいっぱいいっぱいでそんな余裕がないですもんね!配慮をする余裕がないのですすめにくいのはありそう。
特例子会社の状況
・ 令和2年6月1日現在で特例子会社(※)の認定を受けている企業は542社(前
年より25社増)で、雇用されている障害者の数は、38,918.5人(前年は36,774.5人)
であった。
・ 雇用者のうち、身体障害者は11,573.0人(同11,939.5人)、知的障害者は20,5
52.5人(同18,885.5人)、精神障害者は6,793.0人(同5,949.5人)であった。
※親会社の実雇用率に算入できる、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社
特例子会社が25社も増えていることにびっくり!
特例子会社での障害者雇用は今後も増えそうですね!!また、さらに特例子会社での雇用する割合では知的障害のはたらいているかたが多いのが驚きました。
今A型など福祉的就労で働いていた方々が特例子会社で働くケースが増えそうですね!
障害者雇用の現状に影響する障害者雇用率の変動について
障害者雇用は、法律によって障害者雇用を雇用する割合が決められています。
1976年の法改正により法的義務となり、その際に障害者雇用率は1.5%でした。
その後に改正が行われ、1988年には1.6%、1998年には1.8%、2013年に2.0%、2018年4月に2.2%、2021年3月からは2.3%へと引き上げられてきました。
現状の障害者雇用率は以下のように決められています。
・民間企業…2.3%
・国、地方公共団体等…2.6%
・都道府県等の教育委員会…2.5%
障害者雇用の状況をみながら、障害者雇用率は上昇しそれに伴って障害者雇用で働かれるひとたちも増えているということです。
5年以上前の障害者雇用の現実
私自身働き始めたころは障害に否定的な企業が多かった感覚はあります。
電話したらがちゃぎりなんてこともあり、障害者雇用といっても精神の方は本当に面接もしてくれなかった。身体の方ばっかりとる企業がほとんどだったのです。
障害者差別解消法は2016年から施行なので、まだまだ差別があったんですね。
今は障害者雇用をしていない会社に電話しても話を聞いてくれる企業がたくさん!
もちろん、会社はぴんきりです。今でもひどい差別的な理由で不採用にする企業もありますが全体的にみるととても良心的な企業が増えています。
家まで様子を見に来てくれたり、家族連携を企業さんがしてくれたり、ここまでやってくれるのかという企業も・・・
よい企業はどんどん噂になりますし、理解がある企業が増えているのは事実です。
新しく障害者雇用で働く人に向けて定着支援事業が開設
平成30年の4月から新しく定着支援事業がはじまりました!
一般就労へ移行した障害者について、就労に伴う生活面の課題に対し、就労の継続を図るために企業・自宅等への訪問や障 害者の来所により必要な連絡調整や指導・助言等を行うサービスとして、就労定着支援を創設する。
出典:就労定着支援に係る報酬・基準について(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000177372.pdf)
今まで就職したけど、その後就職のサポートがなくて不安だった人たちに朗報です!
制度として、最大3年間対面での面談を月に1回するという制度が新しくできました。
今まで就職後のサポートは、支援機関によってバラバラだったので、やっと就職できたのにその後、全然相談にのってくれないなんてことがありました。
なぜなら、就職後のサポートはいくら相談にのっても支援機関には1円も報酬がなかったからです。
制度化され、支援機関に就職後の支援に報酬がでるようになったことで支援機関も積極的に就職後のサポートをすることができます!
使える対象者は以下・・
- 生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型 もしくは B型のいずれかを利用していること
- 企業などに一般就労していること
詳しくは記事にまとめていますよ!

障害者雇用で働きやすくなった現実実態まとめ
障害を持っている方にとって、どんどん働きやすくなるよう行政の仕組みや情勢がかわっていっています。
今後より安心して今後就職活動、就職、定着ができるはず。
自信をつけてから働きたいとき

専門的な人に自分の障害による仕事の適正をみてほしいとき

就職だけでなく生活面もまとめて相談にのってほしいとき

働くことは不安だが、すぐお金を稼ぎたいとき

働く含めて、とりあえず相談にのってほしいとき
