障害者雇用として精神障害を持ちながら働く経験談
今回、障害者雇用で働くDさんに記事の執筆をお願いしました。
障害者雇用で働くと決めたきっかけや経緯など他の方の参考になると思います。
障害者雇用で働く私の精神障害について
私は精神障害者手帳を保有している者で、病名としては統合失調感情障害という病気を患っています。
この障害は統合失調症といううつ状態になったりする病気と、双極性障害(そううつ病とも言います)というそう状態(気分が高揚し気が大きくなるような状態)とうつ状態を繰り返す病気との両方の特徴が見られることが主な症状です。
そのため、体調がうつ状態の時は全くといってよいほど仕事が手につかず、反対にそう状態になると普段以上の力を発揮し周囲から驚かれるほど仕事をこなすことができました。
この症状で困るのはよい時と悪い時の落差が激しいため、周囲からあれだけできたのに急にできなくなったのはサボっているからなのか、といった疑念や、前は全然できなかったのに今日は急に仕事ができるようになっていたりしてやはり手を抜いていたのではないかという風に思われてしまいます。
このような経緯もあり、障害者手帳の取得と障害者雇用について考えるようになりました。
障害者雇用で働くきっかけ
そもそも私は障害がわかってからしばらくの期間は障害者手帳もなく一般求人(障害者求人と区別する意味で使用しています)にて求職活動を行っていました。
就職活動の方法としてはハローワークを利用しました。ハローワークでは障害者の方が利用する専門の相談窓口があり、手帳はなかったですが私も医師の意見書を提出することで利用ができましたので、そちらを利用させていただきました。
ハローワークでは、就職活動の方法として障害をオープンにしない一般求人に応募する方法、障害をオープンにするが一般求人に障害者として応募する方法、障害をオープンにして障害者求人に応募する方法があります。
この方法の選択は、応募する企業ごとに分けて使うことができます。障害者窓口とはいえ、応募する際にはハローワークの担当者の方が障害を告げるかどうかを本人に確認してくれますので、言いたくなければ言わない、伝えて欲しければ伝えてくださいと希望を伝えれば、担当者の方は守秘義務がありますから余計な情報を伝えることはありませんのでご安心ください。
それでは、ハローワークで求人に応募する際の3つのパターンについてもう少し詳しくお伝えします。
精神障害をもちながら働くためにどうやって就職活動をしたか
一般求人に障害をオープンにせず申し込んだ場合、一般求人ですので健常者の方との競争になります。
メリットとしては主に待遇面が障害者求人よりも充実していることが多いです。
一般求人と障害者求人を比較すると一般求人の方が給料面などでは障害者求人よりも好条件であることが多いです。
そのため、症状が比較的安定している、もしくは軽度である場合に選択肢の一つとして上がってくることが多いです。
私も実際に一般求人で障害を隠して就職した経験があります。しかし、デメリットとして障害に対する配慮が全くありません。
当然ですが、障害のことは知らないので配慮されるはずがありません。体調を崩したことで障害が発覚し、辞めざるを得なくなることもありました。
次に、一般求人に障害者であることをオープンにして就職する場合です。
そもそも一般求人なので、競争相手は健常者の方です。その中で障害者であることをオープンにして就職することはそれなりに困難がつきまといます。
私は一般求人で応募し、面接の段階で社長に実は・・・と障害を打ち明けたことがあります。
たまたまその時の社長が面倒見のよい方で、障害があることよりも人柄や能力を買っていただけたので就職することができました。
ハローワークの担当の方に言われましたが、この就職方法は企業に補助などが入らないためメリットが企業側に少なくなるので、精神障害について伝えるなら応募の段階で伝えた方がよいと言われました。
障害をオープンにして働く場合ですが、現在の職場が障害者雇用で入社したところで、障害に対して配慮をしていただけることで安心して働かせていただいています。
障害を配慮していただけることは非常にありがたいですが、理解することは当事者でないとわからないことが多いので、あまり期待はできないです。
何かある時はしっかりと自分から発信する必要があると思います。
また、企業側は法定雇用率の達成や国からの助成金などもありますので、障害者であるならば障害者手帳がある方を優先して採用する傾向にあります。
手帳がない場合に障害者としてカウントされないケースがあるため、そういう傾向になっています。
障害者雇用で働くためにハローワークを活用した経験
私はハローワークを経由して今の仕事に就いています。
ほかの支援機関を使わなかった理由については単純に知らなかったからです。
ハローワークについては、就職に関しての相談には乗ってくれますが、就職後のサポートがないため、入社後に困ったことがあっても頼れるところがないというのは少し残念です。
また、基本的に応募する企業は自分で考えることが必要であり、この企業がよいとかこういう経歴であればこの企業はどうでしょうかといった提案は少なく感じました。
ただし、ハローワークで就職活動をすることで障害者雇用の求人を数多く探すこともでき、専門の担当者の方から就職のアドバイスだけでなく制度面などについても色々と教えていただいたので、非常に助かりました。
障害者雇用として働くためのサポート機関については利用したことがありませんが充実しているようですので、そちらも利用するとよいかと思います。
職歴がない、同じような理由で退職が続いている方、就職しても継続する自信がない方向けにサポートする機関はあります。
自分にった就職活動をすすめていきましょう!!