「メイド・サーバント症候群」って聞いたことがありますか?
とても振り返る機会になったのでみなさんにもお伝えしようと思い記事を書きました。
他にも気を付けてほしい
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メイド・サーバント症候群ってどんな症候群?
英語でかくと「Maid-Servant Syndrome」
施設のケアスタッフが世話をすることを仕事と思い、何から何までいろんなことに手を出してしまうといった状態を「メイドさんや召使いになりきっている状態」として比喩した用語です。
パートのおばちゃんなんかには多いのではないでしょうか?
とりあえずおばちゃんは仕事として指示通りに仕事はしているのですが、目の前の人が困りそう、いずれ困りそうだから優しさでいろいろ対応するという状態です。
やさしさではなく、仕事の効率や早く帰りたいからという理由もあるでしょう。
人手が足りない忙しい障害福祉や高齢者の入所施設ではほぼおきていると言えるのではないでしょうか?
メイド・サーバント症候群なんでだめなの?
メイドや召使のように施設スタッフがいろいろ手伝うとなんでだめなのでしょう?
仕事が早く終わり、利用者さんも困らないし負担なく入所施設で過ごすことができます。
しかし、これはよくないことなのです。
利用者主体でサービス提供する必要があるから
障害者の支援の法律には以下のような記載があります。
第一条の二 障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない
障害の有無にかかわらず、等しく人権を尊重する法律があります。
どこに誰と生活するかまで障害をもっていても自分で選択し決めれるのです。
普通の生活を障害のあるないにかかわらず普通に生活できるように支援する必要がありますが、メイドのようになんでも手伝うのは普通のことでしょうか?
エンパワメントという視点で支援する
障害がある方とは、主体的に自らの力を発揮することが困難な状況があります。
なのでそれぞれの強みに働きかけて本来もっている力を発揮できるような支援を心がけます。
よくありがちなのが入所施設で、障害があり着替えるのに時間がかかる利用者が支援スタッフが時間短縮のためにすべて手伝う。
障害者就労支援で、仕事に就けるよう本人の意向を確認せず清掃のお仕事につくようにサポートしたとか。
そうではないと利用者も受容的になってしまい主体的な選択がよりできなくなってしまうのです。
社会福祉士の資格ありの方はこちらも参考になるね!
そもそも個別支援計画にそって提供できてる?
福祉サービスを利用するときは個別支援計画が作成されます。
本人の希望する生活にそって、各施設でどんな取り組みをしていったら満足する生活ができるか取り組みを一人一人考えていくのです。
3か月ごとに計画をたてて具体的に3か月で達成できそうな見たてがあることを想定して1人1人オリジナルなものが作成されるはずなのです。
この個別支援計画に沿って、一人ひとり支援内容が異なってくるはずなのです。ただ、この計画は末端である現場の提供スタッフまで伝わっているでしょうか?
メイド・サーバント的支援になってしまうと「いわれたことはやっているじゃないか!?」と仕事の結果に責任を持たないことにつながります。
メイド・サーバント症候群にならないように
定期的に自分の仕事を「なんのためにしているのか」「どういった狙いがあるのか」振り返りましょう。
福祉の現場はとにかく忙しいです。
私も接客業など他の仕事も経験していましたが、福祉職がこんなに忙しいとは思いませんでした。
数をこなす支援になりがちなのですが、日々支援を振り返り職場のスタッフチームで一人一人の支援計画に沿って支援ができているかは確認しましょう!