社会福祉士技術

社会福祉士としての適切な対応方法。ただ怒るのはよくない理由

よくある間違った関わり

例えば遅刻ばかりする山田さん。
山田さんに対して「遅刻しないでください!」
いくら伝えても山田さんはたまに遅刻します。

その場合あなたはどうしますか?
障害を持った人が上手く仕事ができるようになるまでに
普通ではできるだろうということができない。
こういうことがたびたびおきます。

「遅刻をしないように怒る」

よくないことを伝える簡単な解決手段ですが

これは自分自身がスッキリする方法で、相手に対して有効な方法ではありません。

「怒る」それで問題は解決するでしょうか?
やればできる。やらないだけだ!
できないのはなまけている!

障害をもっている方に対してよく向けられる言葉です。
普通だったらできるはずだ。だから心の問題なんだ。

相手に自分をおきかえて考えると心の問題と感じるかもしれません。
しかし障害をおもちの場合は
なかなか当たり前と思われることができないことがあります。

よしこ
よしこ
障害をもっているので、できることとできないことがあります。ついついイライラしちゃいますがいろんな原因があるのです!

上手くいかない理由はなんだろう?

例えば遅刻がなおらない山田さんの場合

  1. 仕事がはじまる時間に出社したらよいと思っている(他の社員が早めに出社しているが、周りの人の様子から学習することができず、早めに出社した方がよいことに気付けない)
  2. 薬の影響で朝起きれないが頑張って出社しているがたまに遅刻してしまう
  3. 父がアルコール依存症で夜になると暴れるのでなかなか寝れずに朝遅刻してしまう
  4. 通勤中大好きな猫に出会うとついつい触ってしまい時間を忘れてしまう
  5. 朝は起きれているが、出かける準備をするなかで髭剃りが気になると時間を忘れてそり続けてしまう

実は山田さんが遅刻する理由としていろんな可能性があります。

①の場合は、「出社時刻の5分前に到着しておくと仕事がすすめやすいよ」と伝えると解決する可能性が高いです。

ただ、上手くいかない事があるときにただ怒るという手段をとると・・

②や③の場合、頑張りすぎてさらに体調が悪くなってしまうかもしれません。

②の場合は、病院で先生と相談し薬の調整をしていく必要があります。

③の場合は、父に適切な医療が行き届いていない可能性があります。

家の恥と思い抱え込むことが多いですが、相談し解決方法を考える機関があります。

④や⑤の場合、本人もこだわりが止められないことに悶々とされているかもしれません。

また、こだわりは止められないと割り切っている可能性もあります。

④なら、土日に猫カフェに行く機会を定期的に作り猫に出会わないようなルートを検討する方法もあります。

⑤なら、上手に髭剃りをする方法をお伝えすると時間がかからなくなるかもしれません。

どんなことにも原因があります。

ただ、④や⑤の場合は自分の仕事で忙しい中、プライベートの行動まで関与することは難しいところです。

会社の中だけで上手くいかない事を解決しようとすると、とっても労力がかかります。

そういったときにこそ、行政の機関を活用しましょう!

社会福祉士としての捉え方、考え方

社会福祉士の勉強をするときに絶対に習う「バイスティックの7原則」という相談援助の基本的な考え方があります。

まずは相手の遅刻の捉え方、理由を以下のポイントを意識するとよりスムーズに聞き取れ解決に進みやすいです。

①個別化の原則

②意図的な感情表現の原則

③統制された情緒関与の原則

④受容の原則

⑤非審判的態度の原則

⑥自己決定の原則

⑦秘密保持の原則

具体的に山田さんの遅刻の場合はどう考えるのかをあてはめてみます。

①個別化の原則

相手の抱える問題はどれだけ過去に似たような事例があっても人それぞれ違うと考える。

→過去田中さんという人が遅刻の常習犯で理由が朝起きれなかった場合、

「田中さんみたいに朝起きれないだけでしょ」とは思わないように気を付ける

②意図的な感情表現の原則

相手の感情表現の自由を認める

→山田さんが遅刻してもいいじゃないか!と開き直ったとしてもそれを認める。

ありのままの本人の感情をはきだしてもらえるように「そんな風に思ってたんですね!もうちょっと聞きたいです!」など山田さんが話やすい雰囲気を工夫する

③統制された情緒関与の原則

相手の感情に飲み込まれないようにする

→「それは本当に山田さんは悪くないわ!」と相手の意見に同調しすぎてヒートアップしすぎたりしない。

あえてならOKだけど支援者が感情をコントロールして接していく

④受容の原則

決して相手を頭から否定をしない、どうしてそんな考え方になるか理解する

→「山田さん、それは違うわ!」なんて絶対言わない。

⑤批判的態度の原則

相手に対して善悪の判断をしない

→「山田さん、それはあかんわ」「山田さん、絶対それやったほうがいいわ」とは言わない。

山田さん自身が自分で解決することが理想とされる

⑥自己決定の原則

あくまでも自らの行動を決定するのは本人である

→「山田さん、親に言ってください」「山田さん、平日は猫のいるルート通らないでください」と決めない。

まとめ

障害を持った人が仕事をするなかで問題が起きている場合、必ず問題には原因があります。

ただ怒るという手段は相手が適切な解決手段を選ぶ保証がなく、悪い方向に進んでしまう可能性があります。

バイスティックの7原則を活用して本人に適切な解決手段は何なのか寄り添って一緒に考えていきましょう!

よしこ
よしこ
論理的に、支援に怒りが必要ない理由についてははれぶたさんの「支援に怒りは必要ない! そう断言できるたった1つの理由」がおすすめです。