社会福祉士には、「倫理綱領」といって、専門職として自らの行動を律するために守るべき秩序や考え方が定められています。
福祉の仕事をしていると、ついつい目の前の業務に忙殺されがちです。
なんとなく過ぎていく日常のなかで、いつのまにか利用者本位じゃない、自分にとって都合がよいような仕事をしてしまっているかもしれません。
そうならないように、倫理綱領は存在します。
また、業務を進めるなかで支援の方向性に悩んだときや自分の支援や周りの支援がこれでよいものか疑問を感じた時倫理綱領を見直すと、ふとヒントが浮かんでくることがあります。
ひとつひとつ振り返っていきましょう!
社会福祉士の価値と原則
Ⅰ(人 間 の尊 厳 ) 社会福祉士 は 、す べ て の 人 間 を 、出 自 、人 種 、性 別 、年 齢 、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。
年齢が若いから、生活保護だから、金持ちの子だから・・そういったことにこだわらずひとりひとりの意向、価値、考えをを尊重しましょう!
Ⅱ(社 会 正 義 ) 社会福祉士 は 、差 別 、貧 困 、抑 圧 、排 除 、暴 力 、環 境 破 壊 などの無い、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現をめざす。
自分の思い通りになるように利用者さんに圧力をかけてないですか?差別してないですか?
自由、平等、共生に基づく社会正義(社会正義とは?という話もあるけど)を実現を目指しましょう!
お互いに気になることがあったら伝えることができる状態が理想ですね!
Ⅲ(貢 献 ) 社 会 福 祉 士 は 、人 間 の 尊 厳 の 尊 重 と 社 会 正 義 の 実 現 に 貢 献 す る 。
「社会正義」についてはいろんな解釈があるので、チーム支援で導き出した答えが正義ととらえてよいのではないでしょうか?
人間尊厳と尊重は基本ですね!!
Ⅳ(誠 実 ) 社 会 福 祉 士 は 、 本倫理綱領 に 対 し て 常 に 誠 実 で あ る 。
誠実とは、私利私欲をまじえず、真心をもって真面目にこの倫理に応じていくことです。
定期的に振り返る必要がありますね!
Ⅴ(専 門 的 力 量 ) 社会福祉士 は 、専 門 的 力 量 を 発 揮 し 、そ の 専 門 性 を 高 め る 。
社会福祉士の仕事をすると、一般のニュースの受け取り方からかわってくると思います。
それが専門的力量だと私は感じており、いろんな価値観や考えがあることを仕事の中で、研修で、読書で高めていきましょう!
社会福祉士会に加入すれば専門的な勉強が可能なようです。
社会福祉士の価値と基準
Ⅰ.利用者に対する倫理責任
1 .( 利 用 者 と の 関 係 ) 社会福祉士 は 、 利 用 者 と の 専 門 的 援 助 関 係 を 最も大切にし、それを 自己の利益のために利用しない。
ついつい仲良くなると専門的援助関係を忘れがち。でも、あえての一歩踏み込んだ関係ならよいと思うのです。線引きはきっちりと。
自分の仕事の評価のため等に利用者を利用しないように!
2 .( 利 用 者 の 利 益 の 最 優 先 ) 社 会 福 祉 士 は 、 業 務 の 遂 行 に 際 し て 、 利用者の利益を最優先に考え る 。
利用者を一番に考える。自分の都合で相手をふりまわさないように。
ただ、利用者に振り回されてしんどくなっちゃう人もなかにはいるので最優先の感覚については把握できるようになりましょう。
3 .( 受 容 ) 社 会 福 祉 士 は 、 自 ら の 先 入 観 や 偏 見 を 排 し 、 利 用 者 を あるがままに受容する。
どうしても障害上、いろいろ社会的によろしくない部分があったとしてもあるがままに受け入れましょう。
先入観はゼロにすることは不可能だと思います。
でも、「先入観をもってしまっているな」とそんな自分をまずは認識することでありのままに受容することはできると思います。
4 .( 説 明 責 任 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 に 必 要 な 情 報 を 適 切 な 方 法 ・わ かりやすい表現を用いて提供し、 利用者 の 意 思 を確認 す る 。
知的障害や高次脳障害だと、紙に書いて忘れないように持ってもらったり、自分のやりやすい方法ではなくて相手の分かりやすい表現を用いて提供!
相手が理解できないことを不満に思わず理解できるようにもっていくのも社会福祉士の姿勢です。
5 .( 利 用 者 の 自 己 決 定 の 尊 重 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 の 自 己 決 定 を 尊重し、利用者がその権利を十分に理解し、活用していけるように援助する。
全ては利用者さんが決めます。例えば家族と会いたくないならそれでよいと思う。自分の価値観を押し付けない。
利用者がリスクを選択する、それも自己決定の一つです!
ただそリスクを伴う選択の場合は分かりやすくリスクについて説明をしていきましょう!
6 .( 利 用 者 の 意 思 決 定 能 力 へ の 対 応 ) 社 会 福 祉 士 は 、 意 思 決 定 能 力 の不十分な 利 用 者 に 対 し て 、 常 に 最 善 の 方 法 を 用 い て 利 益 と 権 利 を擁護する。
自分で判断が難しいなら家族もよんで話をしたり、最善の方法を検討!
意思決定が充分あるのかは考えてよりよいサポートを!
7 .( プ ラ イ バ シ ー の 尊 重 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 の プ ラ イ バ シ ー を 最大 限 に 尊 重 し 、 関 係 者 か ら 情 報 を 得 る 場 合 、 そ の 利 用 者 か ら 同 意を得る。
忘れがちだけどこれ本当に重要!同意を得てすすめましょう!
サービス契約するときに、個人情報同意書交わすことがほとんどでしょう。
また、よくあるのが飲み会の席で利用者さんの個人名だしちゃうなんてことも注意!
8 .( 秘 密 の 保 持 )社会福祉士 は 、利 用 者 や 関 係 者 か ら 情 報 を 得 る 場 合 、業 務 上 必 要 な 範 囲 に と ど め 、そ の 秘密を 保 持 す る 。秘 密 の 保 持 は 、業務を退いた後も同様とする。
業務上必要な範囲!を意識しましょう。もちろん退職したって公開しない。
業務上必要な範囲はどこなのか判断できますか?
9 .( 記 録 の 開 示 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 か ら 記 録 の 開 示 の 要 求 が あ った場合、本人に記録を開示する。
だからこそ記録は適当に書いてたらいけないのです。
第三者が見ても差別なく具体的にわかりやすく記録ができていますか?
10.( 情 報 の 共 有 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 の 援 助 の た め に 利 用 者 に 関 する情報を関係機関・関係職員と共有する場合、その 秘 密 を 保 持 するよう最善の方策を用いる。
自殺したいみたいなケースだと関係機関と共有して対応していく必要がありますよね。
信頼関係を崩さないように関係機関を増やしていくのはなかなか難しかったりもする。
11.( 性 的 差 別 、 虐 待 の 禁 止 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 に 対 し て 、 性 別 、性的指向等の違いから派生する差別や セ ク シ ュ ア ル ・ ハ ラ ス メ ント、虐待をしない。
相手が虐待だと思ったらそれはもう虐待案件。
しかしなんでも虐待ととらえられるとこちらも介入しにくくなってしまいます。
ときには行政と連携しながら対応していくことも。
12.( 権 利 侵 害 の 防 止 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 を 擁 護 し 、 あ ら ゆ る 権利侵害の発生を防止する。
困っているひとのなかには、それ社会的にだめじゃない?みたいなことあります。
守っていきましょう。
Ⅱ.実践現場における倫理責任
1 .( 最 良 の 実 践 を 行 う 責 務 ) 社 会 福 祉 士 は 、 実 践 現 場 に お い て 、 最 良の 業 務 を 遂 行 す る た め に 、自 ら の 専 門 的 知 識 ・技 術 を 惜 し み な く 発揮する。
特に身近な社会資源(利用者さんが使える行政、民間サービス)などを知ってると心強い支援員になれます!
特に地域にある社会資源には詳しくなりましょう。地域の他の福祉サービスの頼りになる人をたくさん見つけるのがポイント!
2 .( 他 の 専 門 職 等 と の 連 携 ・ 協 働 ) 社 会 福 祉 士 は 、 相 互 の 専 門 性 を 尊重し、他の専門職等と連携・協働する。
社会福祉士は、MSWや生活保護課、障害福祉課など連携することが多いです。
それぞれの役割と目的があるので自分の役割をまっとうしましょう。
ついついなんでもやりすぎちゃう場合がありますが、つなげていきましょう!
3 .( 実 践 現 場 と 綱 領 の 遵 守 ) 社 会 福 祉 士 は 、 実 践 現 場 と の 間 で 倫 理 上のジレンマが生じるような場合、実践現場が本 綱 領 の 原 則 を 尊 重
し、その基本精神を遵守するよう働きかける。
上司や同僚の支援に納得がいかないとか、あるあるだと思います。
知らないだけかもしれないし働きかけましょう(ストレスにならないぐらいに。。)
4 .( 業 務 改 善 の 推 進 ) 社会福祉士 は 、 常 に 業 務 を 点 検 し 評 価 を 行 い 、業務改善を推進する。
月に1回見直すだけでも自分の支援で反省点が絶対見つかると思います。
Ⅲ.社会に対する倫理責任
1.( ソ ー シ ャ ル ・ イ ン ク ル ー ジ ョ ン ) 社 会 福 祉 士 は 、 人 々 を あ ら ゆ る 差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などから守り、包含的な社会を目指すよう努める。
自分がもちろんしてはいけないし、そのほかからも守っていく必要があります。
2 .( 社 会 へ の 働 き か け ) 社会福祉士 は 、 社 会 に 見 ら れ る 不 正 義 の 改 善と 利 用 者 の 問 題 解 決 の た め 、 利 用 者 や 他 の 専 門 職 等 と 連 帯 し 、 効果的な方法により社会に働きかける。
どうしても行政の福祉の予算は削られがちです。そんなときの抗議運動とかが当たるのかなって思ってました!
ただ、私はまだ参加したことがありません・・
3 .( 国 際 社 会 へ の 働 き か け ) 社 会福祉士 は 、 人 権 と 社 会 正 義 に 関 す る国際的問題を解決するため、全世界の ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー と 連 帯し、国際社会に働きかける。
今の私にはまだそこまで・・
Ⅳ.専門職としての倫理責任
1 .( 専 門 職 の 啓 発 ) 社 会 福 祉 士 は 、 利 用 者 ・ 他 の 専 門 職 ・ 市 民 に 専 門職としての実践を伝え社会的信用を高める。
なかなかハードルが高い責任ですね。社会福祉士としてはどう関わるのがよいのか背中で見せていく姿勢が必要。
2 .( 信 用 失 墜 行 為 の 禁 止 ) 社 会 福 祉 士 は 、 そ の 立 場 を 利 用 し た 信 用 失墜行為を行わない。
社会福祉士って一度なったら資格なくなることないし、誰でも資格さえ取得できればなれるので今後も事件はあるかもしれないなと思います・・。
3 .( 社 会 的 信 用 の 保 持 ) 社会福祉士 は 、 他 の 社会福祉士 が 専 門 職 業 の
社会的信用を損なうような場合、本人にその事実を知らせ、必要な対応を促す。
職場の社会福祉士が社会的信用を損なう行為があった場合知らせましょう!
4 .( 専 門 職 の 擁 護 )社会福祉士 は 、不 当 な 批 判 を 受 け る こ と が あ れ ば 、専門職として連帯し、その立場を擁護する。
社会福祉士としてまだ不当な批判を受けたことはないのでわかりません・・。
5 .( 専 門 性 の 向 上 ) 社会福祉士 は 、 最 良 の 実 践 を 行 う た め に 、 ス ー パー ビ ジ ョ ン 、 教 育 ・ 研 修 に 参 加 し 、 援 助 方 法 の 改 善 と 専 門 性 の 向上を図る。
就労支援フォーラムには行きたいと思っています!
6 .( 教 育 ・ 訓 練 ・ 管 理 に お け る 責 務 ) 社 会 福 祉 士 は 教 育 ・ 訓 練 ・ 管 理に 携 わ る 場 合 、 相 手 の 人 権 を 尊 重 し 、 専 門 職 と し て の よ り よ い 成長を促す。
利用者ではなく、部下の人権も尊重しましょう!
7 .( 調 査 ・ 研 究 ) 社 会 福 祉 士 は 、 す べ て の 調 査 ・ 研 究 過 程 で 利 用 者 の人権を尊重し、倫理性を確保する
ちょっとまだ協力したことないので分からないです・・。
あとがき
利用者さん最優先で仕事をしていると、自然に倫理綱領は守れていると思います。
ただ、利用者本位という意識が高すぎると自分の健康を害する事になりますのでご注意くださいね。
支援ができなくなると利用者さんが1番困ってしまうのでまず自分の健康を大切に仕事を行っていきましょう!